5ちゃんねる ★スマホ版★ ■掲示板に戻る■ 全部 1- 最新50  

■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています

Bグル小説をとにかく書くスレッド

1 :やめられない名無しさん:02/11/22 07:02
ルール:Bグルが出て来れば何でもいい。実話でも嘘でもコピペでも。

2 :やめられない名無しさん:02/11/22 07:29
「すき家にて」

ふらふらと歩きながら透明なガラスドアの向こうにはきっとあの匂いが漂っている。
もう三日も飯食ってない。ずっと監禁されていたからだ。この身なりで入店したら、通報されんじゃないか。
いいや、はいっちめえ。客は誰もいない。女の店員と目が合う。「いらっしゃいませ」と身じろぎもせず。
やるねえやるねえ姉ちゃんやるねえ。俺はスマイルで返そうと思ったが、引き攣って変な笑いに。
カウンターに座って、「並」。そのまま突っ伏す。意識が飛びそうだが、それに負けないくらい飯食いたい。
頬がひんやりとして、あー気持ちいいと思っていたら、なんかぬるぬるしてきた。
なんだよ、と思って顔を上げると、目の前には血溜まりが。あれ?
さっき笑ったから、口の中が裂けちまったんだな。困った困った。
俺がへらへらと笑っていると、口からがびょがびょ血が垂れ始めた。まいったねこれは。
「お使い下さい」姉ちゃんが全く表情を変えずにおしぼりをくれた。俺はまた笑った。今度はあがりに血が垂れた。
カウンターを拭ってから顔を拭い、あ、逆の順番でやりゃよかった、とか思ったが、もうどうでもいいや。
「どどどどうぞ」眼鏡の優男が思い切り手を伸ばして牛丼を目の前においた。そんなに怖がるな。
遠くの方でサイレンが聞こえた。俺は箸を割ろうとしたが、指が折れてるから力が入らねえ。
しょうがねえから、二本とってグーで握り締めて掻き込んだ。
違和感、つうか痛い。裂けた肉の割れ目に米粒がびっしりつまって何?何これわ。
味がわかりません。がとにかく食う。また遠くで変な音が聞こえた。だんだんデカクなってきた。

3 :やめられない名無しさん:02/11/22 07:29
禁じられた遊びが聞こえたので、ああ、あれだよ。爆音がすげえ喧しく、店の表で止まった。百台ぐらい?すごいのもう。
鶏ガラのように細い、茶色の特攻服の男が入ってきて、「っってってーーーーしゃっ」と絶叫した。
すると、ロシア人のような髭の男がずかずかと入ってきて、鶏ガラに「あってんだぁ」とか怒鳴ってぶん殴った。
鶏ガラはぶっ飛んで壁にぶつかって止まり、ふらふらと立ち上がった。
頭血がたらーと流れてきて、「っってってーーーーしゃっ」とまた絶叫した。
すると、今度は赤い特攻服の男が入ってきた。鳥の巣のようなリーゼントだ。それにコンドームがひっかかっている。
リーゼントが髭にぼそぼそと何やら耳打ちすると、髭が鶏ガラの襟首を掴み、「だぁめらぁぶっぱっそっ」と怒鳴りつけた。
すると鶏ガラが、眼鏡の店員に「とぉもりぃ、ごひゃっぱっしゃっ」と絶叫した。
「え?何ですか?もう一度お願いできますか、はい」とか眼鏡がくねくねしながら甲高い声で言う。
鶏ガラはまた絶叫し、眼鏡ははい?はい?とか言ってて埒があかない。
段々髭の雰囲気が険悪になってきて、ウィンドウをガンガン叩き始めた。眼鏡はひい、とか言って。
すると姉ちゃんが、「お客様申し訳御座いません。御飯が足りないので、すぐにお出し出来るのは三百杯が限度です」
リーゼントが奇声を上げながら木刀を振り回し、店内を無差別に破壊し始めた。
俺は牛丼を確保しつつ安全圏に移動。姉ちゃんは淡々と謝っているし、眼鏡ははい?はい?
鼓膜がおかしくなったと思った。バイクを一斉に吹かしやがった。耳を抑えたせいで、俺の牛丼が落下する。

4 :やめられない名無しさん:02/11/22 07:30
ああもう。なんでそーなるかな。なんでそうなるのかな。俺は割り箸や爪楊枝をまとめて持った。
気が付くと店の中が凄く静かになっていた。暴走族の耳や目にはなんか刺さっていて、眼鏡にも刺さっていた。
まさかとは思うが、ちょっとね、とか思って、やっぱり姉ちゃんにも刺さっていた。
暴走族の死体の群れをよく見ると、皆若者だった。俺が飯を食いにきたばっかりに。
足元にはハゲの中年のサラリーマンが転がっていた。つうかあんたいつこの店に入ってきたんだ。
俺は自分でよそって食った。飯も超大盛で、肉も使い放題だから、これは凄い。
だが、店の中には俺しかいないので、寂しい。
しょうがねえから、全ての席にリーゼントや髭や鶏ガラや他の暴走族、リーマン、眼鏡や姉ちゃんを座らせる。
皆、神妙な面持ちで席についている。「牛丼パーティでも如何ですか」
で、みんなに牛丼を振舞ってやった。こうして見るとなかなか壮観。満席です。
ドアが開いてカップルが入ってきたので、「いらっしゃいませ」と言った.
カップルは店内の様子を見て、ふう、満席じゃしょうがないよね、と言って出て行った。
ドアが閉まった瞬間、ぐちゃっという音があちこちから聞こえてくる。
俺はすごく嬉しくなって振り返ると、みんなが丼に顔を埋めていた。皆、牛丼が好きなのだ。ね。
で、今俺は吉野家の店長をやっている。


5 :やめられない名無しさん:02/11/22 08:40
「マクドナルドにて」

私は結構優しい方だけど、それだと言いたいことが言えないんです。ストレスが溜まる。
そうなると、代わりに家のポチが苦しむことになるんですけど、それでもいいんですか!あなた!
そ れ で も い     い     ん   で  す    で    す       か  

とかいう電話がかかってきた。何と言うか、やれやれだ。
ここでバイトを始めて思ったことは、この業界は異常だということである。
開店前に社員の心構えみたいなやつ(ひとーつ、社員はー、みたいな)を言わされるのだが、店員が慣れてくるにつれて内容が変わって来る。

「愛」とか「肉」とかいったわけのわからない単語が頻出してきて、自分でも何を言っているのかわからなくなる。
また、用事があって店の裏にいったのだが、そこで店長が浮浪者の顔面を蹴り飛ばしていた。
俺が来たことに気付くと、店長は蹴るのを止めた。眼鏡を拭きながら、「私は国体の選手に選ばれたこともあるんだよ」と言う。
店長が去ったので、俺は大丈夫ですか、と言ったら、店長が振り返って、「大丈夫だよ、これも店長の仕事だからね」と言って笑った。
俺は浮浪者に声をかけたつもりだったのだが、なんとなく、はは、とか言ってごまかした。
で、バイトの残り時間を、烏や犬の鳴き声を聞きながら過ごした。客から苦情が来たが無視した。

6 :やめられない名無しさん:02/11/22 08:40
今はレジを打っている最中。
淀んだ目をした子供達や、香水の腐った臭いを撒き散らす婦人、リストラされたおっさんなど、本当にここの客層はバラエティ豊かだ。
俺は、「1500円のお返しになります」、と言いながら1050円を返したりするのだが、誰も気が付かない。
昼の喧騒が片付いて、少し暇になったので、うーん、とか言って背伸びをした瞬間、ぎょっとした。
恐ろしく顔面が崩壊した女性が入ってきたのだ。交通事故にでもあったのだろうか。
左目が異常に低い位置にある。口はひょっとこが左を向いたみたいで、鼻は上下が異常に短かった。
なんというか、渦巻のような顔面だった。
ぱすぱす、ぱすぱす、という奇妙な呼吸音をたてながら、目の前に女性がやってくる。
俺は緊張して言葉も出なかった。口を開いた瞬間、自分でも気付いていなかったような類いのことを言ってしまいそうで怖い。
「ハンバーガー十個下さい」意外に普通の注文だった。声が異常に高いことを除いては。
通常ならここで、御一緒にポテトはいかがですか、と勧める所なのだが、その辺の子供をガリガリ齧ってみてはどうですか、とか頭の中で考えていた。
おかしい。俺は普段はそんなこと酷いことを思うような人間じゃない。この女性の顔面が、俺の中の悪意や憎悪を呼び起こすらしい。

7 :やめられない名無しさん:02/11/22 08:41
バイト仲間の陽子ちゃんは震えながらハンバーガーを持ってきた。女性はテーブルに何気なく移動し、おとなしく座った。
女性の周囲から、煩く騒いでいた子供たちがすうっと移動していった。
女性は酷く汚れたボロボロの紙袋を携帯していて、中を漁り、何やら黄色の物体を取り出した。
その包みを剥がす。異常な臭気が店内に満ちた。俺はテロの恐怖を予感し、陽子ちゃんは卒倒した。
おっさんは手首を切り、子供達は白目で舌を思い切り突き出し、痙攣している。失禁したのか、尿や大便の臭いが漂って来る。
だが、香水が黄色い物体の臭気を打ち消すのか、婦人たちは相変わらずけらけらと元気だった。
「チーズ女がやって来た」いつの間にかやってきた店長が呟いた。ハンカチで鼻をおさえている。
聞くと、あの黄色い物体は板チーズらしい。あれをハンバーガーに挟み、自前で安いチーズバーガーを作るらしいのだ。
「許せないよ、あいつだけは」店長がチーズ女に向かって大股で歩いていく。
「お客様!!困りますよ!!そんな真似をされちゃあ!!」大声で叫ぶ。
チーズ女が振り向いた。店長は硬直し、固まったまま後ろに倒れこんだ。どくどくと血が流れ出す。
店長はチーズ女の顔を知らなかったのだろう。予備知識なしで間近であれを見たのだ。運が悪いとしかいいようがない。
流石に婦人たちも血を見て興奮したのか、ぎゃあああああとかうそおおおおとかいやあああとか絶叫し始めた。
うるさくて仕方ない。何と言うか、俺はどうしよう。すると、ドアが開いて山崎が入ってきた。

8 :やめられない名無しさん:02/11/22 08:41
シンナー?
あ、B級ドラッグか。

9 :やめられない名無しさん:02/11/22 08:41
山崎はオタクのデブで、時間通りにバイトにやってきたことがない。仕事もまともにやらない。何故首にならないのだろうか。
床に倒れて血を流してる店長を見て、山崎は何故か場を仕切り出した。
「正式に!!皆さん、正式に!!」山崎は真面目な顔で客たちに語りかける。
何を言っているのか意味がわからなかったが、どうやら、静粛に、と勘違いしていることに気付いた。本当に馬鹿な奴だ。
「私が店長です、皆さん!どうか正式にお願いします!!」無茶苦茶なことを言っている。
「何が起きたのですか!!この店長の山崎におまかせ下さい!!」
誰が見ても原因は明らかだろう。ドミノ倒しの駒のように子供達や店長、おっさんが倒れ、その台風の目の中心にチーズ女がいる。
「貴様かああああ!!許さんぞお俺のモスバーガーを!!!」山崎が机を振りかざしてチーズ女に襲いかかる。チーズ女はおとなしくチーズバーガーを食べている。
ここは本当は何という店なのだろうか。俺は異界に紛れこんでしまったのか。
次はロッテリアで働こう。


10 :やめられない名無しさん:02/11/22 14:30
「ケンタッキーにて」

ボクシングというのは、それはもう、とても辛く苦しい荊の道らしいのだ。
隣のアパートに住んでいるお兄さんは職業ボクサーで、トレーニングウェアを着て走っているのをよく見かける。
普段は気さくな人なのだけれど、試合が近くなると減量が厳しいらしく、目付きがかなり危ないように思う。
ちくしょう、くそったれ、と言いながら壁を殴っているのを見たことがある。
本人も、減量中は態度が悪いかもしれないが、どうか大目に見て欲しい、とか言ってた。
母さんは、まあ大変ねえ、とか呑気に言っていたけれど、あれは全然わかっていない。
全然お菓子が食べられない、というのは、人によってはかなり苦しくて辛いのだ。特に女子高生にとっては。
どうして世の女性がダイエットを完遂出来ないのか。それは意志が弱いわけではなくて、お菓子の誘惑があまりに魅力的すぎるからなのだ。
お菓子の甘さが、夢のない煩雑な日常を、わびしさの隙間を埋めてくれる。
彼氏もいないような灰色の高校生活には、それぐらいしか楽しみがないのじゃよ。

11 :やめられない名無しさん:02/11/22 14:30
学校の帰りに、ケンタのチキンとビスケットを買って、陽子と公園で食べた。
陽子はチーズ女とかいうわけのわからない話をしていて、私はばっかじゃねーの、とか言って笑った。
もう、マジなんだからね、とか陽子は怒っているけど、チーズ女だって、ははっ。
私がビスケットをもう一つ食べようとした時、公園にお兄さんが入ってきた。
お兄さんと目が合い、だけど手は止まらず、思い切りかぶりついてしまった。ああ、私のバカ。
お兄さんはなんというかヤクザのような目付きでこちらを見ていたけれど、歩いて行ってしまった。
何よ今の、あぶねー、とか陽子は言って、チキンのかけらを鳩の群れに投げた。あ、共食い。
陽子と別れて家に着いて、隣のアパートを見上げた。お兄さん、スマン。何だかわからんけど、ごめんね。
で一週間ぐらい過ぎて、お兄さんがもの凄く顔を腫らして、でも笑顔で歩いていたので、あ、勝ったんだ、と思った。
チキンを食べながら歩いている。やっぱり笑っている。でも無茶苦茶笑ってるわけじゃなくて、どっちかっていうと、ほっとしてる感じ。
お兄さんと目が合ったので、おめでとーございます、と言ったら、サンキューと言われた。

12 :やめられない名無しさん:02/11/22 14:30
家に帰るまでの間に話をした。「この前は、なんかチキン食べちゃっててすみませんでした」
あの時、俺どんな顔してた?「なんか、飢えた野獣、って感じでしたよ」やっぱり、わりい。悪気はないんだけど、すげえ腹減ってて。
何かね、あの時、君や友達がね、全然別の世界の住民に見えたんだ。
試合前はキツイんだよ、減量は肉体的にクるものがあるけど、夜とかもさ、怖くてキツイんだ。
何度も何度も脳内で考えちまって、負けるんじゃないか、とかそういうことばっかでさ。
そういう精神的なアレとかもあって。いつもは他人を見る余裕もないんだけど、今回は右の拳と左足首をちょっと痛めちゃって。
で、あーやべーよ畜生、とか思いながら歩いてて、そしたら君と友達が公園にいて。
なんかね、すごく悩みが無さそうに笑ってるからさ、畜生とか思っちゃってさ。情けない話だけど。
「だからチキン食べてるんですか」あ、これ?うん、なんでだろう。そうかもしんない。
とまあ、そういうことがあって、私は家に帰ったのだけれど、今日はあんまりお菓子を食べたいと思わなかった。
いつも私が全部食べてしまうので文句を言うお母さんも、どうしたの珍しいわね、とか言っていた。
なんだか、考えてしまうのだ。私のこの日常、ってやつは、意外とつまらないものの集まりに支えられているのではないか、とか。
お菓子とか友達とかケンタッキーフライドチキンとか、そういう何でもないものの手触りが、私とこの世界との接点ではないのだろうか。
あのお兄さんのほっとした顔を見て、何故だか、そういう退屈さが急に大事なもののように思えてきたのだ。
これを機に成長したとかそういう話ではないんだけど、ケンタッキーはあんまり食べなくなった。
お兄さんのほっとした顔を思い出すと、何か私は違うよなー、とか、ケンタッキーを食べる顔はほっとした顔だよなー、とか思う。
友達が食べているのを見ながらだと食べられる。陽子はにこにこしながら食べるので。そういうアレが大事だと思うのだよ、私は。


13 :やめられない名無しさん:02/11/22 15:31
「うまい棒」

うちの学校にすごく可愛い子が転校してきた。後藤さんという。
顔はなんというか、天使とか妖精のようで。
髪は軽くウェーブがかかっていて、凄く柔らかそうで、キラキラしている。
ランドセルもなんか高級な感じがする。お嬢様だ。お嬢様じゃあああああ。
僕はどうにかして仲良くなりたかったが、なんというか乗り遅れた。
アホで不細工だがやたら元気だけはある狩野や、ぼっちゃんでかっこつけの村上がアタックを開始していた。
焦った。あんなやつらと仲良くなっては駄目だよ。僕が、この僕こそが。
だが、狩野や石川は相手にされなかった。冷たいわけじゃないんだけど、警戒されている。
後藤さんは、女の子たちとは普通に話をしている。
僕は思った。あんまり、男だぜ、という感じで接してはいけないのではないか。
自慢ではないが、僕はなよなよしている。色も白いし体育も出来ない。
これはチャンスではないだろうか。しかし、オカマっぽいのもどうだろうか。
話しかけるきっかけが欲しいのだけど、どのようにアプローチすればいいんだろう。

14 :やめられない名無しさん:02/11/22 15:32
僕は後藤さんの後をつけた。ストーキングというやつだ。軍隊では必須の技術なのだ。
だから仕方がないんだ。とか変な言い訳をしながら後をつける。何かどきどきしてきた。楽しい。
いいんだろうかこんなんで。そもそも僕は何がしたかったんだろうか。
彼女は馬鹿でかい家に入っていった。僕はなんというか、力尽きた。
こんな立派な屋敷に住んでいる彼女が、僕なんかを相手にしてくれるはずがない。
そもそも、なんで公立の小学校なんかに転校してきたんだろう。私立のに行けばいいのに。
僕はあまりの身分の差に、急に恨みのようなものを感じ始めた。すぐにそれは脱力感に変わった。
あきらめよう。ここは行きつけの駄菓子屋の近くだったので、そちらによって行くことにした。
店に着いたが、食欲は全然なかった。財布を見ると、千円札が一枚。
僕はとんでもないことを思い付いてしまった。たぶん早過ぎる失恋のショックで、やけになっていたのだと思う。
うまい棒を、僕は百本買ってしまってもいいのではないだろうか。
婆さんは飽きれていた。めんたい味が好きなので、多めに買う。常連なので、消費税は抜きにしてもらった。
百本というのはかなり多く、ビニール袋が四つ必要だった。あまり詰め込むと、砕けてしまうからだ。
だが、全然重くなかった。本当に薄っぺらいお菓子だ、うまい棒は。
まるでお前のようじゃないか、とか思ってしまい、僕は動きが止まってしまった。

15 :やめられない名無しさん:02/11/22 15:32
テンションに任せて百本も買ってしまったけど、こんなに食わないっつうの。
おこづかいを使い切ってしまったので、コロコロもボンボンも買えなくなってしまった。
僕は本当に馬鹿だ。
すると、向こうから後藤さんがやってきた。すごく大きい犬を連れている。
こんにちは、と後藤さんは声をかけてきた。僕はああとかううとか言うだけだった。
後藤さんは当然のように、その袋なあに?と聞いてきた。
うまい棒、と答えたけれど、なんだか恥かしくなった。まるっきり子供じゃないか、僕は。何がうまい棒だ。
うさぎに、あげるの?と後藤さんは言った。僕はすぐにもここからいなくなってしまいたかった。
うさぎとは、一体なんだろう。と考えて、たぶん僕が飼育係であるから、そのことを言っているのだと思った。
こんな下らないお菓子を買って、そんなものについてわざわざ後藤さんに下らない質問をさせてしまっている。
あの馬鹿でかい屋敷とうまい棒が僕の頭の中でぐるぐると回転し、僕は思わずすみませんと謝ってしまった。
後藤さんは、?という顔をしている。ああもうこんな僕に構わないで下さい。
すると、犬がビニール袋に興味を示し、接近してきた。駄目でしょ、チェリオ、こら、とか後藤さんは引っ張る。
だけどチェリオはかなり力が強いらしく、後藤さんを引っ張りつつビニール袋の匂いをくんくんと嗅いだ。

16 :やめられない名無しさん:02/11/22 15:32
次の瞬間ビニールは食い千切られ、うまい棒が地面にぶちまけられた。三十本ぐらいだろうか。
ああ、ごめんなさい、とか後藤さんは言っているのだけれど、僕はもうどうでもよかった。
一個拾って剥いて、チェリオにやった。がつがつと食っている。
面白いので五個ぐらいやった。チェリオは、もっとくれ、という目でこっちを見た。
後藤さんはとても済まなそうな顔をしている。僕はまた包装を取って、今度は自分で食べた。
後藤さんは驚いた。たぶん、犬やうさぎの餌を食べていると思っているのだろう。
これは、お菓子です、と僕は言った。後藤さんにめんたい味を差し出す。
後藤さんは本当に済まなそうな顔をしているが、僕が突きつけたので、観念して受け取って食べた。
あ、おいしい、とか言って、ちょっと笑って、で、また済まなさそうな顔に戻って、弁償します、と言った。
僕は、いいんだ、これはただなんだから、と言うと、後藤さんは、え?ほんとに?と言った。
僕は、そうだよ、だから、いくらでも食べていいんだよ、と笑って言った。どんどんチェリオに食わせる。
チェリオに食わせると見せかけて、自分で食べる。ボリボリボリボリやっていると、後藤さんもうまい棒を拾って食べだした。
夕焼けの中で、僕はひたすら無心で、一心不乱にうまい棒を食べ続けた。口の中がぱさぱさになったが、構わず食べた。
チェリオも後藤さんもボリボリボリボリやっている。誰も一言も喋らない。
今考えるともの凄く異常な話だが、こんなことがあって僕と後藤さんは仲良くなった。
後藤さんは、うまい棒が気に入ったようだった。いまだにうまい棒がただだと思っているかどうかはわからない。
というか、俺は今になってこれが板違いだということに気付いた。お菓子板なんてものがあったのか。
だが、許せ。広い心で。


17 :やめられない名無しさん:02/11/23 00:36
おながいします

18 :やめられない名無しさん:02/11/23 12:39
「ほっかほっか亭にて」

カリーが食べたいのです、と教授が言い出した。
我々は、当然、驚いた。
教授はもの凄く頑固である。
それは教授の長所である。
なまくら学生たちのいい加減な要求を決して通さない、学問の扉の最後の門番。
そして、自らが探求する気概を失わなず、常に最先端で戦う旗手。
学問のしんがりと最前線を同時に受け持つのが教授なのだ。
教授は、学生たちはもちろん、学長や他大学の教授、外国の超一流の研究者たちからも尊敬されている。
教授は偉大な人物なのだ。
しかし、頑固さが学問以外の性向にまで及んでいるのは、頂けないところである。
それは教授の短所である。
何が言いたいのかというと、教授は車の種類や服や髪型、時計のメーカーや音楽の好みなどが、もの凄くうるさい。
そして、教授のこだわりの最たるものが食事なのだ。
たまに教授のゼミで、飲み会のようなものが開かれる。
だが、そこに並べられた食べ物が不味かったり(つまり教授の好みに合わない)すると、宴が始まった瞬間に帰ってしまうのだ、教授は。
そうすると、我々は、もの凄く気まずくなる。
別に教授は怒っているわけではなく、そしてそのことを皆、知っているのだけれど。
でも、やはり気まずいのだ。教授は和食しか食べない。
だから、飲み会が開かれるのは、当然和食系統の店に限られる。
そんな教授が、カレーが食べたいと言い出したのだ。
どうしようか。思えば、教授が積極的に何かを食べたいと言ったのは初めてである。

19 :やめられない名無しさん:02/11/23 12:40
何としても、我々は教授の期待に答えなければならない。
ただ、問題がある。今日は、12月31日なのだ。
何故こんな暮も押し迫った、しかも1年で最後の日に、カレーを食べなければならないのだろうか。
普通、年越しには蕎麦を食うものである。酔狂にも程度というものがある。
近所の店は皆閉まってしまった。材料を入手することはかなわない。
手持ちの材料で作ることも出来ないわけではないが、私は一つの懸念を抱いていた。
うちのゼミに所属する生徒は、皆真面目ではあるのだが、気の効いた奴が一人もいないのだ。
髪型は七三分けもどきかテクノカットかスポーツ刈りか丸坊主か三つ編み。
通学は自転車。服は無印良品かユニクロ。昼食は家で作ってきた弁当。
助教授として、長年、教授とゼミ生たちの連絡役のようなものをやってきた。
だが、教授がもの凄い洒落者であるのに対し、生徒たちがあまりにも、なんというか純朴なのだ。
こんな素朴で牧歌的な生徒たちに、気の効いたカレーが作れるのだろうか。
恐らく、特売で百幾らのカレールーをそのまま使い、材料も箱の説明通りに可不足なく用いるだろう。
それでは駄目なのだ。教授は、創意の無い人間をあまり高く評価しない。何かしら工夫が必要なのだ。
私は考えた。以前、とても美味いカレーを食わす店に行った事がある。
一口目を食べ、私は驚いた。甘いのである。もっと辛さや塩っぱさを予測していた。
口当たりがあまりにも良いので、ひょっとすると子供向けなのではないだろうかと疑問を覚え始めた頃。
徐々に辛さが浮かび上がってきた。甘さと辛さのコントラストが絶妙なのだ。
家庭用のカレーには、この甘味がない。単調なのである。
だからこそ、福神漬けやらっきょうなどを添え、甘味を補強するのである。
だが、そういった副次的な甘味は、カレーソースそのものとは、乖離して感じられる。
ソース自体に、甘味と辛味を同居させなければ、美味いカレーは出来ない。
恐らく、あの甘味は玉葱か果実であろう。あの店のソースは、どろどろとしていた。
ソース自体の粘度ではなく、細かく砕かれた(煮込まれた?)何らかの食物の粘度なのだ。

20 :やめられない名無しさん:02/11/23 12:42
しかし、私にはその味を再現することが出来なかった。
何らかの秘訣があるのだ。材料か、あるいは時間か、あるいは調理方法か。
しかし、今更それを探る時間は残されていなかった。
私が途方に暮れていると、事務員の坂田女史がやってきた。彼女はとても優秀である。
私の困った様子を見て取ったのか、坂田女史は、どうかしたのかと尋ねてきた。
私が訳を話すと、それならほっかほっか亭のカレーはどうですか、あそこはちょっと甘いですよ、という答えが返ってきた。
早速案内してもらった。注文されたものが出てくると、あら、と坂田女史が言った。
以前はソースが袋に入っていたらしい。目の前のものは、黒い皿に、飯やカレーが全て収まっている。
教授にそれを差し出すと、教授は黙って食べた。そして一口も残さずにたいらげ、うむ、なかなか、と言った。
私はこれまで、教授の、「だめ」か「なかなか」しか聞いたことがなかった。うむ、がついたのは初めてである。
教授は私を見て、何をにやにやしているのですか、君は、と言った。
私は、いえ別に、とだけ答えた。あとで坂田女史に礼を言わなければならないだろう。
今気付いたのだが、これはデートに誘う口実にもなるのではないだろうか。
ところで、何故、急にカレーが食べたくなったのか聞いてみた。
すると教授は、天竺に有り難い御経を求めに行くのだ、とだけ答えた。
私はその時、それが何を意味するのかわかっていなかった。何か、教授独特の言い回しだろうとしか思っていなかった。
次の年度、教授はこの大学にもういなかった。
印度の大学に招かれ、行ってしまったのだ。
天竺とは印度を表す古語である。そして、印度はゼロの概念が誕生した、数学の先進国でもあった。
教授は、何かを求め、本当に印度に旅立たれてしまったのだ。
急に、カリーが食べたいと言い出したのは、実はそのせいだったのかもしれない。
教授が三蔵法師ならば、あなたはさしずめ沙悟浄ね、などと坂田女史は言っている。
いつの間にか私は教授になっていたが、私にとって、教授といえば、あの教授ただ一人だった。
あの空の向こう、印度の蒼穹の下で、今も教授は本場のカレーに舌鼓を打ち、だめ、とか、なかなか、などと、カレーが主食の人々に向かって、勝手な事を仰っているのかもしれない。


21 :やめられない名無しさん:02/11/23 13:16
「卵かけ御飯」

くしゃおじさんって前にいたろ?あれだよあれ。
俺すっげームカツイててさ、ダウナーでバッドだったわけよ、全部許せなかった、俺自身も含めて。
で、マイセンがべらべらべらべらなんかいってんだけど、全然意味がわかんねーんだよ、頭もいてーし。
で、思いきり殴ったんだよ。アッパーで。顎を。
そしたら、顎がぐしゃってすげえ軽く潰れてさ、くしゃおじさんみたいな顔になった。
俺、それが悪魔に見えたんだよ。地獄の使者、っつうの?
周りのみんなはさ、げらげら笑ってんのよ。笑いすぎてテーブルの上のもん全部床にぶちまけた。
マイセンは、顎を抑えて、あえ?あえ?っつってんだけど、何か本人も笑い出してさ。
たぶん、全然痛くなかったんだろうな。薬漬けだったし。
ドラッグで、顎の骨が完全に溶けちまってたんだよ。
マイセンはさ、その変になった顔を、みんなに見せびらかして歩き回るんだけど。
みんなハイだから、無茶苦茶笑ってんだよ。

22 :やめられない名無しさん:02/11/23 13:16
で、笑い声っつうか叫び声が渦巻いてる部屋の中で、俺一人だけバッドだったから。
なんかすげー怖くなって、欝入って、死にたくなった。
で、泣いちゃってさ、そーすると、マイセンが俺の前にやってきて、陥没した顎を見せて、俺を笑わせようとするんだよ。
俺はその踊りが凄く怖くて、凄く一人で、なんかああもうダメだ死のう死のう死のう、とか思っちゃって。
そのまま気絶しちゃったんだな。次の日は意外と平気だった。
マイセンは病院にいったらしくて、なんつうか、会いに行き辛いんだよな。
もう、骨は限界だったらしいし、マイセンも怒ってなくて、もうヤクやめっかな、とか言ってるらしいんだけど。
無理だよ。あれはシャブ漬けの中でも最高峰の奴だから。あいつには、もうホントとか嘘とか、そういうのがなくなってるんだよ。
だから、僕に、卵かけ御飯を食べさせて下さい。しょうゆかけて。
どうか、僕を救ってください。もう悪い事も気持ちいい事もしたくないんです。どうせこれも嘘なんですけど。で
も、あなたに優しくしてもらわないと、僕はもう死んでしまうんです。
前にも進めないけど後ろにもいけず、なんか、全然違う所に行ってしまいそうで、こわいです。
子供の頃は、こんな風になるなんて思っていなかった。あなたもそうですか?
僕はこれからどうなってしまうんですか?


23 :やめられない名無しさん:02/11/23 20:51
押したり引いたり、ワンツーワンツー。
僕たちはいつも一緒だった。
狭く高い塀の上をサーカスみたいに歩いたり、
誰も知らない川へ続く側溝を探ったり、
山で空気の流れを直接感じたリした。
どうやら、それももう終わりらしい。
いや、ずっと前に終わってたらしい。
目を閉じて、久し振りにあいつについて考えてみる。
おい、どうよ。
どうよってなによ。
どうなのよ。
そっちこそどうよ。
はは。
ふふ。
おかしいね。
ああ、おかしいぜ。
俺、覚えてるよ。
何を。
緑色の草いきれに、お前の血が垂れてたこと。
うん。
すごく、暑かったよ、あの時は、夏で。
うん。

24 :やめられない名無しさん:02/11/23 20:52
そっちは、どんな場所なの。
うん。
楽しいかい?
うん。
どうして、消えてしまったんだい?
うん。
君が消えたら、僕も消えていいんだろう。
どうかな。
僕はわからないんだ。
うん。
どうして、一人でいっちゃったんだ。
わかんない。どうして君は生きてる?
わかんない。
そうだな。
うん。
わからないこと、だらけだ。
もう、逢えないのか。
ああ、一生逢えない。
死んでも、逢えないか。
わかんない。

25 :やめられない名無しさん:02/11/23 20:52
君に、逢いたいよ。
そうなのか。
君は、僕に逢いたくないのか。
俺は誰だっけ?
わからないのか?
わかんないよ。
そうか。
そうだよ。
そうかあ。
うん。
もう行こうかな。
うん。
僕のことがうらやましい?
うん、たぶんそうだと思う。
ごめんね。
うん。
僕はこれからも生きていかなきゃいけないんだ。
うん。
じゃあ、ね。
うん。じゃあ。

26 :やめられない名無しさん:02/11/23 20:52
彼が最後に食べていたもののことを、ふと思い出した。
とっぱちからくさやんつきラーメンだ。
それを胃袋の断面から撒き散らして彼は死んだ。
電車対彼。
どっちが勝ったんだろうか。
電車はもともと死んでるから、彼は電車と同じものになった。
傷が深いのか?僕は自分に問いかけてみることがある。
誰もいない夜の街の中にある小さな僕の家の小さな僕の部屋の小さな僕の布団の中の小さな僕の体の中で。
これは、一体どういうことなんだろう。
僕は小さな声を出そうとしてみたけれど、どうせ夜に溶けて消えてしまうのでやめた。
そんなのは、あんまりな話だからだ。
どうして、なのか。
どうしてだろう。
わからない。
いま、みみずくが遠くの森で鳴いた。
僕が寝ている時だけ、夜の鳥たちは囀っているのかもしれない。
誰にも聞こえない音で喋り、誰にも見えないままただそこにいる。
そして、ひっそりと鳴く。
そんなことに、何の意味があるんだ?
僕は手を必死で伸ばしているのだけれど、そんなことを知っている人は一人もいないのだ。
僕は自分の体を抱き締めて眠った。
それが一人の眠り方だ。
誰もいない部屋で、薄く薄く壁紙が剥がれ落ちていくように。
僕は眠りにつく。誰もいない眠りに。

27 :やめられない名無しさん:02/11/23 22:47
よくわかんないけど、なんか好き

28 :やめられない名無しさん:02/11/24 08:26
好き。俺は柔らかいものが、そう、すごく好き。
プリンとか口に入れてとろけると、うまー!うまうまおいちいいいい!!プリンおいちいいい!!
などとノヴァ博士のようなことを口走るような夜はやっばっいっぜ〜♪
赤ちゃんも柔らかい。あの肉がめりこんで線が入ってる手首とか。
あと、喉もと。喉の肉が凄く柔らかくて、だから俺は、仕方が無いのだけれど、軽く噛み付いてみた。
ぽよん、という感じで、ああ、このまま食べてしまってもいいよね、と正直思った!!それは認める。
でも、その時、ぎょえええええええええという悲鳴が、スーパーマーケット中に響き渡った。
乳母車の上に覆い被さっている俺を、母親が、発見したのだね。
俺は、すいません、そんなつもり(ってどんなつもりじゃい)はなかったんです、といいながら、
母親に向けて全力で走り、そのままアックスボンバーを食らわせて走り去った。
おかげで、そのスーパーには行けなくなってしまった。
あと、おぱーいも好き。柔らかくて、大好き。
おっぱいはでかいほうが、あっやらかい、やらかいよーとゆう感じが味わえるので、巨乳がいい。
でかすぎて下品に垂れ下がってて、乳綸が半径50メートルぐらいあると、もう最高。
むにょんむにょんにょむにょむ揉みまくる。相手は全然感じてないし、俺もエロいことをしてるつもりはない。
義務です。これは義務です。
そんな俺が、この世に生を受けてから35年経過し、第三次世界大戦が始まろうとする前の月のことである。
俺は、やわらぎに出会った。

29 :やめられない名無しさん:02/11/24 08:27
一人の時も寂しい時も、いつもあなたが目に浮かぶ。そう、やわらぎが。
柔らかいの。やわらぎは。やわらぎを漢字変換すると、和らぎ、と出る。
和み、と書いて、なごみ、と読む。
たぶん、お前等は馬鹿だから読めないと思うので、こうやって説明して差し上げていらっしゃるのでござり候。
なごみ系の筆頭として、優香がもてはやされたのも、今は昔、竹取の翁というものありけり。
だが、アイドルというのは総じて我侭であり、自分史上最高彼氏、なのである。
とにかく手がかかるのだ。だからといって、安易にアニメーツィオンの女に逃げてはいけない。
アニメーチョンの女は、女ではない。男でもない。無生物である。
いっぽう、やわらぎは生きている。有性生殖の結果、この世に誕生した、いわば生命の輝きを瓶に閉じ込めた、
地球の栄光の全てをホルマリン漬けにした瞬間に、自分の部屋のドアーが開き、まさお!何やってるのあんた!
そうやって、ちんちんばっかりこすってると、馬鹿になるよ!とパーマのおかんが入ってきて、貧弱な股間を必死で
隠しながら、出てけー!出てけよー!!とお前は泣き叫んだのだが、おかんはお前がおかずに使っていた、
あきらかに中古の女の裸ばかりが写ったエロ本を見て、本当にしょうがない子だねえお前は、やれやれ、それじゃ、
おかあさんが、手伝ってやろうかねえ、と言って恐ろしいことになり、お前は、やめろー、やめれー、と言いながらも
貧弱な股間は反応し、あれやこれやでそれから五時間後、母親の胸には包丁が突き刺さり、お前は首吊り自殺。
やわらぎたい。

30 :やめられない名無しさん:02/11/24 19:11
B級グルメと一口に言っても、その言葉に当該する料理や食事形態は様々である。
私は今、これを単純に分けてみよう。
この板で、B級グルメと聞いて真っ先に思い付くのが、吉野家である。
例のコピペの功績が大きいと思われる。では、コピペ出現以前、吉野家のこの板における知名度や占有率はどうだったのだろうか。
普通ならここでそれを述べるべきなのだが、敢えてそれを行わない。面倒なのではない。気力と体力と時間が惜しいのだ。
だって僕(略

さて。
区別したり分類するのに最も簡易なのは二元論である。
善と悪、神と悪魔、貧乏と金持ち、美人とブスなど、単純な二項対立で世界をわかったつもりになる概念である。
これは非常に便利だ。使わない手はない。

〜愛のあるBグルと、そうでないBグル〜
B級料理の90%が、愛のない料理である。特定の誰かの為に作る料理ではないからだ。
商業ベースのBグルがそうであることは、賢明な読者ならばとっくにおわかりであろう。
この板のほとんどが、店名か商品名を冠したスレッドで占拠されている。
では、己の為に作るBグルはどうなのか。Bグルには、手がかかっていない。
心を満たす為に作る料理ではないのである。腹の隙間を埋める為だけに食べる、
いわばパテかコンクリートのような料理なのだ。精神的満足を得る為に食べるわけではない。
事実、スレッド一覧を見ただけで、あまりの精神的な貧しさに、回線を切って首を吊((略

31 :やめられない名無しさん:02/11/24 19:11
さて。
では愛のあるBグルとは一体なんなのか。
愛を想起させる為に必要な要素は、「家族」「恋人」「優しさ」「手間」「友情」「努力」「勝利」などが挙げられる。
該当するようなスレッドを探してみたが、ほとんど見つからなかった。
「シチューはご飯にかけて食べる物?」(家族)
「子供の頃なぜかご馳走と思ってたメニュー」(家族)
「手加減知らずの大盛りの店  - その後」(優しさ)
このぐらいだろうか(どうでもいいが、一番上のスレッド、前にもあったような)、ほとんどない。
つまり、Bグルに愛を求めるのは間違っているのである。
Bグルを食べる人間の神経として、
「あーあ、俺って一人だよ」「料理すんのめんどくせー」「いいんだよ、どうせ」
「何をやってもだめ」「昼寝てて、夜起きるから、開いているのがそういう店しかない」
「コンビニでバイトしてるから、廃棄弁当をもらう」「怖くて高級な店に入れない」
なんというか隙だらけである。本人も、「そんな自分です仕方ねーよあーこのまま人生過ぎて行くよいいよ別に」
そういう侘しさを、ここで共有し、慰め合っている(例え本人にその気がなくとも)のである。
とは言ってはみたものの。
そういうのは独身者か一人暮らしだけで、家族と暮らしている人々にとっては、必ずしもそうとはいえない。
満たされているのに、敢えて毒を食らいたい人々が、この世の中には存在するのだ。
続きは五十年後、2chがまだ存在していたら、書こうと思う。

32 :やめられない名無しさん:02/11/24 23:32
午前10時。洗濯機がとまった。
かごに洗濯物を入れ、ベランダに出る扉を開ける。
部屋に吹き込んでくる秋晴れの風が、美幸のほほをなでる。
美幸は、冷たくて気持ちいいと感じ、
「今日は素敵なことがありそうだ」と思った。

物干に洗濯物を干しおわり、部屋に戻った美幸は、
机の上の携帯電話に「新着メール」の文字を見つけた。
「昼飯。」一言だけのメールは、
美幸の学生時代の先輩の龍一からだった。
「どこで?」と、返事を送ると、すぐに龍一から返事が来た。
美幸はベッドに腰掛け、メールを読む。「美幸んち」

美幸は冷蔵庫の仲に何があるかを考えた。
なす、人参、タマネギ、ジャガイモ、卵、ベーコン...
美幸は「おごってよ」とかいたメールを送った。
作ってよ、って返事が来たら、なにか作ってあげよう、
作ってよ、って返事が来ないかな...等と期待しながら、
ベッドに横たわり、返事を待った。
龍一からは「んじゃ、駅、1時ね。」と、またすぐに返事が来る。


「どの服、来ていこうかな...」と、声に出してつぶやき、
いつかは、龍一にご飯を作ってあげたいな、と思いながら、
美幸は目を閉じた。



33 :やめられない名無しさん:02/11/24 23:56
美幸はカレンダーに目をやった。細かい文字で何か書いてある。
今日の午後3時から、江梨子と映画を観にいく約束があったのを思い出しいた。
龍一とご飯食べたあと、すぐに別れなきゃならないことを、残念に思った。

12時45分、美幸は外に出る。
よく晴れていて、風が冷たくて、気持ちいい。
つい早足になってしまう。近所のうちに植えてある木々や花が、
正午の日差しにとても輝いて見える。
5分ほど歩いて、駅に着いた。龍一の姿は見えない。
龍一はいつも5分遅れる。そのことを知っているから、
美幸は別にうろたえたりはしなかった。

どこでご飯食べることになるかな、と、美幸は考えた。
モスバーガーかな、なか卯かな...
おごって、などとメールを書いた手前、上等なお店は期待できない。
美幸は、ファーストフードはむしろ好きだから、別に何でも良かった。
何を食べるかよりも、龍一と食べることの方がずっと重要だった。



34 :やめられない名無しさん:02/11/25 00:04
龍一が、ロータリーの向こうに見えた。
美幸の鼓動が少し早くなる。手を振ろうかな、と考えていると、
龍一が気付いて、走って近付いてくる。
「ごめん、寒い中、待たせたね。」龍一は軽く謝る。
「ううん、どこ行くの?」と、美幸は聞く。
こっち、と龍一は歩きはじめる。美幸はあとに着いていく。

バチンコ屋の脇の薄暗い階段に龍一は足をかける。
美幸は少し躊躇する。「ここ、何のお店?」と聞く前に、
龍一はもうずいぶん先にいっている。
美幸も、あとに付いて小走りに階段を上る。
のぼりきったところで、龍一が待っていた。「ここでいい?」と聞く。
美幸はここまで来てそう聞かれても、うなずくしかないじゃないかと思いながら、
うん、とうなずく。
半自動の扉に「和民」と書いてある。そこは、居酒屋だった。

昼、居酒屋に入るのは、美幸にとって初めてのことだった。
龍一は「安くて、旨いんだよ」と言っている。
店のウェイトレスが緑茶とお絞りを持ってくる。
龍一はウェイトレスの方を観ながら「お刺身定食を。」と、オーダする。
美幸はまだちっともメニューを見ていなかった。
早く決めなきゃ、とは思いつつも、なかなか決められなかった。
えぃ、と言う気持ちで、「同じの」と、言った。
ウェイトレスが「ご注文確認します、お刺身定食がお二つで、
よろしかったですね。」と笑顔でオーダを確認する。
龍一はウエイトレスの方を見ながら、わずか微笑んだような表情で
「はい。」と答えた。


35 :やめられない名無しさん:02/11/25 02:55
「猫の住む森の話」

私の飼っている猫は、私と同じものを食べて生きている。
実家を出る時に、お前も来るかい、と聞くと、にゃあと鳴いたので、こっちまで連れて来た。
私はアパートではなくて、平屋を借りている。そうじゃなきゃ猫なんて飼えない。うちの猫はそうなのだ。
私がご飯を作ってあげなければ、この猫は餓死してしまう。
今まで、そういう経験はしたことがなかった。
だから、私は仕事が終わったら、なるべく早く家に帰ることにしている。
その日は凄く疲れてて、だから早く帰って風呂→寝る→あ、その前にご飯つくんないと、
とか思っていたら、いつの間にか病院にいた。
交通事故に遭ったらしい。後ろから追突されて、ハンドルに頭を思いきりぶつけて気絶してしまったそうだ。
で、会社の同僚や上司や家族がお見舞いに来て、私は嬉しかったり居心地の悪い思いを味わったりしていた。。
入院してから四日が過ぎて、猫のことを思い出した。
早く帰って餌をあげなきゃ。

36 :やめられない名無しさん:02/11/25 02:55
父に車で家まで運んでもらい、玄関を開けて猫を探した。
こういう時、猫に名前をつけていないと、どう呼べばいいのかわからなくて困る。
だから、私はおーいとか、こらーとか、帰ってきたよー、ごはんだよー、などと叫んだ。
猫は小さいから、どこか下の方にいるはずなのだけれど、家の中には気配がなかった。
私はたった四日いなかっただけなのに、この家からは、温もりが完全に失われてしまった。
もしかして、と思って、なんか胃がどんどん重くなって下降して、そのまま腹の中に吸い込まれてどこかへ行ってしまったような感覚になった。
猫はどこにも見つからなかった。私が入院している間に、どこかへ消えてしまったのだ。
自分で餌を探しに行ったのかもしれない。
でも、あれは家猫だったから、自活能力はないはずだ。私がいなければ、あの猫は生きていけないはずなのだ。
私は事故によるストレスもあったのか、泣いてしまった。
父はあたふたとするばかりで、全く役立たずだったのだけど、後から思うと、そのあたふたが有り難かったように思う。
そうして、私の生活の中から猫はいなくなってしまった。
私は何か違和感を覚えていたのだけれど、それは酷く漠然としたもので、私自身がそれを知りたいと思っていないようにも思えた。
それから二年過ぎて、私は、あの事故の時、追突してきたのが、一体誰だったのか知らなかったことに気付いた。
(続く)

37 :やめられない名無しさん:02/11/26 12:08
つまんない

38 :やめられない名無しさん:02/12/13 08:14
と仁鶴

40 KB
■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています

★スマホ版★ 掲示板に戻る 全部 前100 次100 最新50

read.cgi ver 05.04.00 2017/10/04 Walang Kapalit ★
FOX ★ DSO(Dynamic Shared Object)